大変なベッド上の移動介助を「楽」に行えるアイテム|スライディングシート

ふくし
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員15年目のふくしです。
出来ないことが出来るようになる商品・介護の助けになる役立つ商品は数多くあるけど、家族・サービス提供者を含め、介護の現場では知らない人が多いと実感。
少しでも利用者・介護者の負担やストレスを減らせるよう効果的な機能の活用方法や色々な介護用品を紹介していきたいと思っています。

ベッド上の介護で大変なことのひとつとして「寝ている利用者を移動させること」があります。

高橋さん    (介護者)

電動ベッドで背上げをすると体が下に滑ってしまって、背上げを戻したときに体も元の位置に戻さないといけないので大変。

佐藤さん    (介護者)

ベッドに寝かせる時にベッドの中央に寝かせることがなかなか難しいので、一旦横になった後にベッドの中央までずらさないといけないが、力もいるので結構大変。

こんな悩みを持っている家族を、実際に多く見てきました。

そんな時、私はほぼ100%と言っていいくらい、「スライディングシート」というアイテムを家族に提案しています。

なぜなら、これを使えば介助負担が圧倒的に減るから

ベッド上に寝た方をそのまま移動させようとすることは、大変力を必要としますし難しいです。

寝たきりの場合だと、本人が移動に協力してくれることも難しいので、なおさら介助者には大きな負担がかかります。

特に女性が男性を移動させるのはより大変で、毎日するとなれば体を痛める可能性もあるでしょう。

そこでこの記事では、ベッド上での移動を楽に行えるようにするアイテム「スライディングシート」についてご紹介したいと思います。

ふくし

この記事はこんな方にオススメ!

・スライディングシートについて知りたい方
・ベッド上で利用者の体を移動させるのが大変な方

※利用者とは、介護サービスを利用する方のことで、介護業界では介護される方をそう呼びます。

目次

スライディングシートとは、利用者の体を移動・移乗させる為のシートです。

摩擦係数の低い素材を使った非常にすべりやすいシートになっているので、このシートを利用者の体の下に敷きこめば、介助者は少ない力で利用者を動かすことができます。

形は2種類あり、以下のような特徴があります。

スライディングシートの形状

筒状タイプ

長方形のシートの両端をつなげて輪っかにしてあるタイプのスライディングシートです。

使用時の動きとしては、ブルドーザーのキャタピラが動くイメージを持ってもらうとわかりやすいと思います。

輪っかになっているスライディングシートをキャタピラのように回転させることで、シートの上に乗っている利用者を移動させることができます。

「移座えもんシート」というスライディングシートを販売している株式会社モリトーの公式YouTubeに動画がありましたので参考にしてください⤵

筒状タイプは、一枚布タイプのように使う時に二つ折りにする必要がないのがメリットです。

ふくし

この移座えもんシートは訪問介護のヘルパーや介護施設の職員がよく使われています。

一枚布タイプ

風呂敷のように一枚の布になっているタイプのスライディングシートです。

一枚布タイプは、二つ折りにしてシートを重ねて使用します。シートを体の下に敷きこんだら、あとは筒状タイプとほぼ同じ使い方で使用できます。

出典:株式会社タイカ(スマイルシート)

利用者を移動させる時に体を押すと痛がる場合は、重なっているシートの上側1枚を掴んで引っ張ると、体を押すことなくスライドさせることができます。

一枚布タイプはこの介助がやりやすいというメリットがあります。

ふくし

使うたびに二つ折りにしなくていい筒状タイプの方が、基本的には使いやすいと思います

スライディングシートを使いこなせるか心配な方にはグローブタイプが有効

高橋さん    (介護者)

上記のシートタイプはうまく使える自身がない。

ふくし

そういう方は、グローブタイプを使うといいかもしれません。

グローブタイプは、滑りやすいシート生地が長めの手袋のような形になっていて、それを手にはめて使う介助補助手袋です。

介助者の両手にグローブをはめて、利用者とベッドの間に手を差し込み、利用者を抱えるような形で手前に引き寄せることで利用者を移動させるという使い方。

出典:株式会社タイカ(ハーティーグローブ)

シートタイプは利用者とベッドの間にシートを敷き込むのが大変という方でも、グローブタイプなら利用者とベッドの間に手ごと生地を差し込めるので、思うように生地を差し込めます

ただ、グローブタイプのデメリットとして以下のようなことが挙げられます。

  • シートタイプは一度にからだ全体を移動させることができるが、グローブタイプは体の一部ずつしか移動させることができないので、細かい移動を複数回する必要がある
  • 縦移動(頭⇔足方向の移動)には使用できない

グローブタイプを検討する場合は、これらのこともよく考えて有効に使えるか判断しましょう。

①介助者の負担が少なくて済む

おすすめする最大の理由は、なんと言ってもこれです。

ベッド上の移動介助は、介助者にとっては大きな負担となり、腰痛の原因となる場合も多くあります。

体重が50kgある方を安全に移動させようとする場合、何も使わなければ最低二人で介助する必要があるでしょう。

しかし、スライディングシートを使えば一人で簡単に移動させることができます

スライディングシートを使うと摩擦力が減るので楽に移動させることができる為、介助者は少ない力で利用者を動かすことができ、介助負担も大幅に軽減させることができるということです。

②利用者の痛み軽減・拘縮予防

ベッド上の移動介助を行う際は、どうしても服と布団の摩擦力が大きくなるので介助者も力を入れなくてはいけません。

そうすると、利用者は痛みを感じることもありますし、体が緊張する(=筋緊張になる)ことで、拘縮につながる可能性もでてきます。

スライディングシートを使えば痛みを最小限に抑えられるし、拘縮発生のリスクも減らせるということになります。

③床ずれの予防

ベッド上で体を移動させる際には大きな摩擦力が発生し、服を着ていても皮膚にダメージを与えてしまいます。これが日常的に繰り返されると、皮膚が損傷し床ずれが発生しやすくなります。

スライディングシートを使えば、体を移動させる時でも摩擦力を非常に小さく抑えられる為、皮膚へのダメージがほとんどなく移動による床ずれの心配がなくなります

④利用者の気持ちが楽になる(介助者は意外と気づいていない)

ベッド上の移動は道具を何も使わず行うと介助者はかなり大変です。

利用者の中には「毎日大変な介助を行ってもらって申し訳ない」と感じている方も多いと思います。

スライディングシートを使って介助負担が減れば、利用者の「申し訳ない」という気持ちの負担も減ることにつながります

便利だけど、使っている人が意外と少ないスライディングシート。

使うことで手間が増えるので使っていないという方もいます。

たしかに使い慣れるまでは時間や手間がかかってしまうかもしれませんが、使い方のコツさえ覚えて使い慣れてくれば、逆に時間も手間もかかりません。

スライディングシートを使うと利用者・介助者の双方にかかる負担が圧倒的に少なくなるので、ぜひ使って介護を楽にしてください。

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