利用者(介護される方)が自分で立って乗り移ることができない場合には、介助者が利用者を抱えてお尻を浮かせ、移乗先へ座らせるという大変な介助が必要になります。
車椅子~ベッド間やベッド~ポータブルトイレ間などの移乗の際に便利になる福祉用具が「スライディングボード」。
ですが、スライディングボードを使っていてもまだまだ力任せで移乗させている方を見かけます。
スライディングボードを上手く使いこなせれば、移乗介助の負担は大きく減らすことができます。
佐藤さん (介護者)スライディングボードを使っているけど、うまく使いこなせていない気がする。
こんな方に、移乗介助の際に抑えてほしいポイントをご紹介しますので、ぜひマスターしてください。
このポイントをしっかりとマスターすれば「スライディングボードってこんなに介助量を減らせるんだ。」と体感できるはずです。
スライディングボードのサイズや形
スライディングボードの長さは短いものだと50cm前後、長いものだと80cm前後。
長い方が転落のリスクは減ると思いますので、転落が心配な方はそちらをオススメします。
形は主に正方形とブーメラン型がよく使われていますが、ブーメラン型の方がベッドや車椅子などに接地する面積が広くなるので安心感をもって使えると思います。
スライディングボードを使う時のポイント4選


まず、車椅子からの移乗・車椅子への移乗にスライディングボードを使う時は、車椅子の肘掛けが跳ね上げ式であることが前提ですので、それを頭に入れながらポイントをチェックしてみてください。
①車椅子のフットレストは外す
肘掛けが跳ね上がるタイプの車椅子の場合、ほとんどがフットレスト(足置き)の取り外しができると思います。
フットレストは移乗介助をする際に邪魔になりますので、面倒くさくても外すようにしましょう。
それだけで介助の際のストレスは減らせます。



フットレストが足に当たって怪我をするというリスクも減らせますしね。
②車椅子はピタっとつけない
車椅子からベッドやポータブルトイレに移る際に車椅子をピタっとくっつけてしまうと、自走用車椅子の場合はタイヤ(後輪)が移乗の邪魔になってきます。
車椅子をベッドやポータブルトイレから約25~30度離した状態で停めると、タイヤの大きい自走用車椅子でもスライディングボードが設置しやすくなります。


③電動ベッドを使う移乗の際は高さを調整する
「電動ベッドから移る」「電動ベッドへ移る」場合の最重要ポイントは電動ベッドの高さを適宜調整するということ。
下図のように、乗り移り先の高さが少し(7cm前後)低い状態になるように電動ベッドの高さを調整することで傾斜を作れます。




こうすることで乗り移る際に重力を利用できるので少ない力で乗り移れるようになります。



スライディングボードを水平にしがちだけど、傾斜をつけるのが正解。
④利用者の体を傾ける
スライディングボードをお尻の下に挿しこんで移乗の準備が完了したら、乗り移りたい側(ベッドから車椅子へ移乗する場合は車椅子側)に利用者の上半身を傾けて、介助者は利用者の脇の下(傾いている側の脇の下)に手を入れて手のひらで背中を支える。



上半身を傾ける時は、介助者がしっかり支えられる範囲で傾けてください。
あとは、傾けた側と反対側の腰を横から押してあげる。
スライディングボードを設置した時にボードが滑り台のように傾斜がついていれば、上記の方法で移乗介助をすると重力を利用して少ない力で楽に移乗させることができます。
まとめ
スライディングボードを使った移乗介助は今回紹介したポイントを実行するだけで介助量は減りますし、怪我のリスクも減ります。
特に③は移乗介助の負担軽減に有効です。
電動ベッドをレンタルしているのに高さを調整せず移乗介助をしている方も見かけますので、せっかくある機能を有効に使ってください。










コメント