堤さん (利用者)夜間、トイレに行く回数が多くなってきた。



ケアマネから尿器を勧められたけど、どんな種類があるのかしら?
夜中によくトイレに行く人やトイレまで行くのが大変な人などに使用される尿器ですが、そのタイプはひとつだけではありません。
利用者の身体状況に合った尿器を選ぶことで確実で安楽な排尿を行えます。
そこでこの記事では、尿器の種類について解説したいと思います。
尿器を使った方がいい人はどんな人?
尿器を使った方がいい人というのは大体お分かりかもしれませんが、以下のような人になります。
- 就寝中に何度もトイレに行くために起きる人
- 就寝中、トイレに行きたくなって夜中に起きるが、トイレに行くまでに転倒リスクが高い人
- 普段ベッド上で過ごす時間が長い人で、排便はトイレで行いたいが、回数の多い排尿はトイレまで行きたくない人
- 1日を通してベッド上での生活(寝たきり)だが、おむつを嫌がる人(極力おむつを使いたくない人)
それでは、その理由をちょっと解説。
【①・②の人】
起きてすぐの体の動きは、日中の体の動きよりも悪くなるので、覚醒している日中よりも転倒リスクが上がります。
また、トイレまでの移動の際、照明をあまりつけずに行かれる人もいますが暗い場所を歩くともちろん転倒リスクは上がります。
起きてから排尿を終えて再び布団に戻るまでの時間を短縮させることで、再入眠にかかる時間も違ってくる人もいるので①・②の人は尿器を使うと有効です。
また、特に冬場に血圧の急変動が気になる人は、寝室さえ暖めておけば暖かい部屋で尿器を使って排尿することができるので、血圧の急な上昇を抑えられます。
【③の人】
私の担当している利用者でも見かけますが、排便は必ずトイレで行いたいが、行く間隔が短い排尿はトイレまでの移動負担を考えると部屋で済ませたいという人です。
尿器はこのような人に有効で、転倒リスクの軽減に加え、「毎日頻回にトイレまで行かなければ...。」という精神的ストレスを少し軽減できます。
【④の人】
これはそのまま書いてある通りです。
おむつの交換は大変な介助かもしれませんが、家族としてはおむつを使ってほしいと思われている人も多いと思います。
それでも、本人がどうしても「おむつを履きたくない」という場合には、寝ながらでも使いやすい尿器が有効になります。
それでは、尿器の種類と特徴について次項で解説します。
尿器の種類と特徴
尿器の種類には、「尿瓶(しびん)」と「受尿部・蓄尿部別型」がありますが、それぞれの特徴は以下の通りです。
尿瓶(しびん)
尿瓶は一番よく見かけるタイプで、尿器と聞いて思い浮かぶのはこれではないでしょうか。
軽量で扱いやすいのが特徴で、自分で尿瓶を持って使用できる人に向いています。
男性用と女性用で受け口の形が違いますが、男性でも陰茎が短い人は女性用の方が使用しやすい場合もあります。
立った状態(特に男性)や座った状態で使用することが多いですが、寝たままでも使用することが可能なものもあります。しかし、寝たままの使用は少しやりにくさがあるかと思います。
夜間に使用してすぐに捨てられない場合や尿器を誤って倒してしまう心配がある場合でも、フタが付いているので安心ですが、すぐに処理する方が臭いも残りにくいのですぐに捨てられる場合はそのようにしましょう。
また、排尿中に尿がこぼれないようにする為に「逆流防止弁」が付いているものもあり、この逆流防止弁は排尿時の音を軽減させる効果もあるので、音が気になる場合は弁付きの尿器がオススメです。
尿瓶は単純な構造になっているので、お手入れは他の尿器と比べると楽に行えます。
人気のある・よく売れている商品をご紹介します。
【ピップ】コ・ボレーヌ
- 逆流防止弁付きなのでこぼれにくく、尿のにおいや採尿時の音が少ない
- 大きく見やすい目盛り
- 洗浄ブラシ付き
- 採尿量 男性用:1000ml 女性用:600ml
【アロン化成】尿器
- 透明容器だけど専用カバーが付いているので、カバーを付ければ中身が見えない
- 受尿口はやわらかい素材
- 洗浄ブラシ付き
- 採尿量 男性用・女性用:1200ml
【幸和製作所】テイコブ 半透明尿器
- 中身が見えにくい半透明タイプ
- 一目で量がわかる目盛り付き
- 丸みのあるやさしい形
- 採尿量 男性用・女性用:800ml
受尿部・蓄尿部別型
これは蓄尿部(溜める部分)と受尿部(陰部に当てる部分)がチューブで繋がっている形になっています。
蓄尿部と受尿部が離れていることで、寝た状態で使用しても蓄尿部が邪魔にならないので、寝たきりの方に特に有効です。
こちらも男性用と女性用で受け口の形が違います。
蓄尿部を受尿部より低い位置に置くことで、逆流を防止し尿を溜められる構造なので、床に布団を敷いて寝ている人にはあまり適しません。
もし、ベッドが嫌で床に布団を敷いている方が使用したいとなったら、布団の下に少し厚めのマットレスを敷くと高低差を作れますので、それで対応してみてください。
また、尿瓶と比べるとチューブがあることに加えて洗う部品も増えるので、お手入れの手間はかかります。
人気の商品は安楽尿器デラックス⤵です。
【浅井商事】安楽尿器デラックス
- 中身が見えにくい半透明タイプ
- 座った姿勢、横向き、仰向きで使える
- 受尿口はソフトで肌にやさしく密着
- 採尿量 男性用・女性用:1500ml
また、男性用にはコンドームタイプもあります。
【オカモト】ユリドームセット
- 寝たまま排尿できるコンドームタイプ
- ユリドーム(コンドームの穴)の直径は32mm
- 採尿量 1500ml
このコンドームタイプですが、これは正直なところ使いづらいと思います。(実際に使ったことは無いですし、使った方の意見を聞いたこともありませんが...)
その理由は、平常時、男性器は小さくなっていて硬さもあまりなく柔らかいので、コンドームの装着はしづらそうだからです。また、排尿後は男性器に尿が掛かる可能性も高そうなので、清潔に保たないと皮膚トラブルに繋がる可能性もありそうです。
そして、上記の商品は1日に何回も使うとなるとコンドーム部分を交換すると思うのですが、取り替える部分が1個200円以上になるようなので、経済的コストが結構かかります。
以上の理由から、少し使いづらいのかなと考えます。
尿器の透明度
尿器には「透明」「半透明」「白色」と透明度の違いがあります。
「透明」な尿器は、尿の量や色をしっかり把握したい場合に便利です。病気などの理由から尿の状態を観察する必要があるのであれば、透明な尿器を選びましょう。
中が見えることに抵抗感がある方は、「半透明」や「白色」の尿器を選びましょう。しかし、それでもまだ抵抗感があるなら、カバー付きのものを選ぶとストレスを軽減できます。
尿器を置く場所に困る場合
尿器はすぐ使えるように近くに置きたいと思いますが、以下のような方法があります。
●専用の尿器受けを使う
尿器を使いやすくする為に、尿器を入れる専用の入れ物があります。
購入する際は、尿器のサイズをしっかり測って、その尿器がちゃんと入る尿器受けを購入しましょう。
尿器受けはこちら⤵
●S字フックを付けてベッド柵にぶら下げる
ベッド柵にS字フックを付けて、そのフックに尿器の持ち手部分を引っかけたり、カゴを引っかけてそれに尿器を入れるようにします。
●小さめのゴミ箱や段ボールに入れる
ベッド柵が無いベッドや床に布団を敷いて寝ているなら、100均などで小さめのゴミ箱を買ってそれに尿器を入れたり、段ボールがあるならそれに尿器を入れるようにします。
まとめ
今回は尿器について解説しました。
尿器を有効に使うと、体への負担を軽減できるほか、怪我やヒートショックなどのリスクを抑えることもできます。
尿器にはいくつか種類があり、寝た状態でも使用できるものもありますので、利用者の身体状況に合ったものを選ぶようにしてください。









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