【悩み】便座からの立ち上がりが大変になってきた

ふくし
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員14年目のふくしです。
役に立つ介護用品や便利な機能が色々あるのに、介護の現場では知らない人が多いと実感。少しでも介護者の負担やストレスを減らせるよう効果的な機能の活用方法や色々な介護用品を紹介していきたいと思っています。
堤さん    (利用者)

便座からの立ち上がり時にふらつきやすい。

高橋さん    (介護者)

最近、便座からの立ち上がりが大変そうになってきている。

ふくし

トイレでの立ち上がりを行いやすくする方法をいくつか紹介します。

自宅の洋式トイレを使用していて、今まではなんてことなかった立ち上がり動作が筋力低下などから行いにくくなってくることがあります。

トイレ内で転倒してしまうと、床からの立ち上がり介助をするにしても狭くて介助しにくいことがあり大変です。

そこで、この記事では便座からの立ち上がりを楽に行えるようにする方法を3つご紹介したいと思います。

目次

①レンタル福祉用具でトイレ用手すりを設置する

レンタル福祉用具の中には「トイレ用手すり」というものがあります。

便座に座った時に体の左右(またはどちらか片側)に手すりがくるようになっていて、その手すりを使って立ち上がりを補助します。

便器を挟んで固定するタイプ

出典:アロン化成株式会社(洋式トイレ用フレーム S-はねあげR-2)

置くだけタイプ

出典:アロン化成株式会社(アットグリップ トイレサポート ノーマルタイプ)

便器を挟み込んで固定するタイプや便器の裏側にベルトを通して固定するタイプ、置くだけのタイプと種類が色々ありますが、そこは福祉用具の業者に便器に合うものを選んでもらう形です。

介護保険の認定を受けられている方で1割負担だと、大体1ヵ月300円ぐらいでレンタルできることが多いと思います。

②住宅改修で手すりを取り付ける

これは住宅改修なので、壁に手すりを取り付ける工事をするということです。

施工業者の方に下見に来ていただいて取り付け位置や手すりの種類などを相談しながら決めていきます。

住宅改修で取り付ける場合は手すりの長さや種類などで金額が違ってきますが、これも介護保険の認定を受けられている方であれば、その方の負担割合に応じた金額になるので比較的安く済みます。

介護保険が適用される上限が20万円までなので、超えた分については実費(10割)になります。

例)住宅改修の総費用が25万円で介護保険の負担割合が1割負担の方の場合

介護保険適用の上限である20万については、その1割負担で2万円。

そして、20万円を超えた5万円については実費になるので5万円。

合計 〈 2万円 + 5万円 = 7万円 〉 になります。

住宅改修は工事の前に申請をして介護保険適用でいけるかの許可が降りてからの着工になるので、取り付けまでに少し時間がかかることが一般的です。

③「補高便座」を使用する

補高便座とは便座の高さ上げる福祉用具で、便座の座面高を上げることで立ち上がりを行いやすくするものになります。補高の高さは3cm~10cmが多いです。

※ 便座の穴に差し込む形になるので設置後は便座の穴が少し小さくなります。

出典:アロン化成株式会社(ソフト補高便座)

設置は簡単で、便座の上に補高便座を置くだけ。(ほんとに簡単)

中には補高便座がずれにくいように固定具が付いているものもありますが、置くだけタイプが多いです。

ふくし

置くだけでも結構安定感はあります。

補高便座の高さがメーカーによって違ったり、同じ商品の中でも高さに種類があるので、どれだけ高さを足したいかによって選ぶといいでしょう。わからない時は福祉用具の業者に相談してください。

ちなみにこの商品も介護保険適用になっているので、介護保険を使えば安く購入することができます。

ふくし

座面高が上がると膝を深く曲げなくて済むので、膝に痛みがあり深く腰掛けることが大変な方にも有効です。

築年数が古い建物のトイレはドアが内開きになっていることが多いらしく、もし狭いトイレの中で転倒してしまい立ち上がれなくなってしまうと、扉を開ける時に体が当たって開かないという事態にもなりかねます。

トイレで立ち上がりにくさを感じたり、立ち上がった時にふらつきが見られるようになってきたら、上記のような方法で早めの転倒予防をおすすめします。

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