【どれを選ぶ?】介護用防水シーツについて詳しく解説

ふくし
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員15年目のふくしです。
役に立つ介護用品や便利な機能が色々あるのに、介護の現場では知らない人が多いと実感。少しでも介護者の負担やストレスを減らせるよう効果的な機能の活用方法や色々な介護用品を紹介していきたいと思っています。

介護現場でよく使われる防水シーツ。どんな種類があるか気になったことはありますか?

鈴木さん    (介護者)

ケアマネから「何でもいいので防水シーツを付けた方がいい。」と言われたけど、どれを選んだらいいかわからない。

高橋さん    (介護者)

防水シーツっていくつも種類があるの?

防水シーツの種類はひとつだけではありません。利用者の状態や介助者にかかる手間などを考えて選ぶと、利用者・介助者の双方に負担が少なくなります。

ふくし

意外と知らない防水シーツの種類。詳しく解説します。

目次

まずは、防水シーツの形状です。

防水シーツには主に、「部分タイプ」「四隅ゴムタイプ」「ボックスタイプ」「使い捨てタイプ」の4種類があります。

それぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説します。

部分タイプ

部分タイプとは、腰回りだけに敷く防水シーツです。

部分タイプは、ゴム(留め具)が付いていない1枚布で、布団やマットレスの上に防水シーツを乗せたあと、余った部分を布団やマットレスの下に入れ込むようにしてセットするタイプです。

四隅ゴムタイプ

四隅ゴムタイプは、防水シーツの四隅にゴムが付いていて、そのゴムを布団やマットレスに引っかけるタイプです。全面をカバーする防水シーツになります。

ふくし

ゴム付きのベッドパッドと同じような形ですね。

ボックスタイプ

ボックスタイプは、袋のような形状で布団やマットレスを入れる口の部分にゴムが入っていて、包み込むように取り付けるタイプです。

包み込むので布団やマットレスの側面の濡れもカバーできますが、中には全体を包み込んでも防水箇所は腰回りだけというものもあります。

また、選ぶ際は使用中のマットレスの厚みに対応しているかもチェックが必要です。

使い捨てタイプ

使い捨てタイプはその名の通り。

部分タイプのように巻き込んだり、シーツの裏側にズレ防止テープが付いているものなどがあります。

在宅復帰直後など、水まわりの負担を軽くしたい場面に向いています。洗えるタイプとの使い分けもいいと思います。

それぞれのメリット・デメリットは以下のようになります。

《 部分タイプ 》

メリットデメリット
敷く部分が狭いので利用者が寝ていても交換しやすい
頭と足には防水シーツがこないので蒸れを軽減できる
全面カバーではないので布団やマットレスが濡れる可能性がある
寝返りなどのベッド上の動きが多いと防水シーツがずれやすい

《 四隅ゴムタイプ 》

メリットデメリット
四隅のゴムを引っかけるだけなので取り付けが楽
防水部分が全面なので寝具を濡らす心配が少ない
電動ベッドの背上げ機能を使うとゴムが伸びてずれやすい

《 ボックスタイプ 》

メリットデメリット
包みこむタイプなので寝返りが多くてもずれにくい
布団やマットレスの側面の濡れも防げる
交換の手間がかかる

《 使い捨てタイプ 》

メリットデメリット
洗濯がいらないので後処理が簡単
衛生対策が必要な場面や、旅行時などの臨時利用に役立つ
継続的に使用するとコストがかかる
紙や不織布などの素材でできているため、「カサカサ」と音が鳴りやすい
ふくし

防水シーツの形状は、交換のしやすさや利用者の動きが多いかなどに注目して選ぶといいでしょう。

「防水」と「撥水」については、詳しく知らないという方が多いのではないでしょうか?

それぞれ解説します。

「防水」タイプのシーツ

防水とは、簡単に説明すると《水を通さない》ということ。これは、大体わかりますよね。

防水タイプは生地の裏面に防水フィルムが貼り付けてあり、生地で吸収した水を裏面の防水フィルムでせき止めるという仕組み。

ティッシュに水滴を垂らした時に時間とともに広がりながら吸収されるような感じで、吸収した生地が水分を広げていき防水面でしっかり受け止め、寝具を守ります。

体と接する面は防水面ではなく生地部分なので、パイル地(タオルのような生地)の防水シーツなどは肌触りも良いです。

また、防水タイプは基本的には水分も空気も通さないので蒸れが気になりますが、防水の加工方法がラミネート加工であれば湿気や水蒸気は通す透湿性も併せ持つので、蒸れを気にされる方はラミネートで防水加工された商品がオススメです。

こんな方にオススメ

水分を完全に通したくない(寝具を絶対に濡らしたくない)方

「撥水」タイプのシーツ

撥水とは、簡単に説明すると《水を弾く》ということ。

撥水タイプは生地の表面に水を球状にして弾く撥水加工(コーティング)を施し、生地を濡らさないという仕組み。撥水加工をしても生地自体の隙間は埋めないので、水蒸気や空気は通ります。

「水分を通さず水蒸気や空気を通すなら撥水タイプの方が蒸れなくていいな」と思われた方。ちょっと待ってください。

介護用に使う防水シーツに関しては実はそれが最適解ではない場合もあります。

水を弾くということは「吸収されない」ということなので、失禁してシーツが濡れてしまった場合、シーツの上に溜まっている尿の上に寝るということになります。そこに寝続けると体がずっと濡れたままということに繋がります。

また、撥水タイプは長時間圧力が加わると水分を通してしまうことがあるというデメリットがあるので、失禁後に長時間そのままでいると寝具を濡らしてしまうことにも。

メリットとしては、汚してしまった場合にすぐに拭いたりアルコールで清掃すれば、洗濯せずそのまま使用できるという点です。

こんな方にオススメ

失禁量は少ないけど、頻繁にシーツを汚してしまうので洗濯の手間を減らしたい方

ふくし

自宅で使う場合は、寝具を可能な限り濡らしたくないでしょうし、床ずれの原因のひとつに〈蒸れ〉がある点から考えて、基本的には防水タイプでラミネート加工されたものをオススメします。

よく失禁してしまう方は、1日に2枚以上防水シーツを使うこともあります。

基本的には最低2枚は持っておいて、防水シーツを濡らしてしまったときは予備の防水シーツを使うようにするといいでしょう。

それでも「早く次の予備を準備しないと」となると、気になるのは洗濯機・脱水機・乾燥機が使えるかどうかです。

洗濯機は、ネットの使用や水の温度に気をつけるという商品はあるものの、ほとんどの防水シーツで使用可能です。

脱水機に関しても、ほとんどの防水シーツで使用可能です。

乾燥機は、乾燥する際の温度をどれくらいに設定するかによって使用可能かどうかが違ってきます。乾燥を高温設定ですると大体70~80℃ぐらいになるそうですが、防水シーツは80℃までであれば使用可能な場合が多いです。

結論としては、洗濯機・脱水機・乾燥機のどれも基本的には使用可能ですが、購入の際は念のために確認をするようにしましょう。

防水シーツは商品によって機能がそれぞれ違いますが、その機能には下記のようなものがあります。

  • 速乾
  • 抗菌(臭いの原因菌の繁殖を防ぐ)
  • 制菌(人体に有害な菌の増殖を抑える)
  • 吸水・吸汗
  • 防臭・消臭                など

洗濯後、早く乾かしたいようであれば「速乾」の表記があるもの選んだり、臭いをできるだけ抑えたいようであれば「抗菌」や「防臭・消臭」の表記があるものを選んだり、というふうにどの機能が欲しいのかも気にすると、よりストレスを減らせると思います。

部分タイプ

スクロールできます
商品名防水撥水ラミネート
加工
洗濯機脱水機乾燥機速乾抗菌その他
【亀屋】
ブルー防水シーツ
デニムタイプ
×130℃×吸水
【萬楽】
透湿防水シーツ
×100℃×防臭、透湿
【萬楽】
パイル防水シーツ
×80℃××吸汗
【川本産業】
ウィズエール 防水シーツ
半身タイプ レギュラー

(裏面)

(表面)
××60℃××

四隅ゴムタイプ

スクロールできます
商品名防水撥水ラミネート
加工
洗濯機脱水機乾燥機速乾抗菌その他
【赤堀】
介護ヘルパーさんがお勧めする
洗える防水シーツ
×××防臭、吸水
【川本産業】
ウィズエール 防水シーツ
全身タイプ 四隅ゴム付き

(裏面)

(表面)
××60℃××
【萬楽】
四隅ゴム付きパイル
全面防水シーツ
×80℃××
【丸田シャツ】
あんしん3層スムース
防水シーツ(四隅ゴム付)
×120℃×

ボックスタイプ

スクロールできます
商品名防水撥水ラミネート
加工
洗濯機脱水機乾燥機速乾抗菌対応する
マットの厚さ
その他
【萬楽】
エコノミー
全面防水シーツ
×100℃××8㎝まで
【萬楽】
透湿ボックス型
全面防水シーツ
×100℃×16㎝まで防臭、透湿
【エンゼル】
のびのび防水
ボックスシーツ
×80℃××17㎝まで
【亀屋】
ブルー防水シーツ
スムースボックスタイプ
130℃×22㎝まで

使い捨てタイプ

スクロールできます
商品名ズレ対策吸収量サイズ
【ピジョン】
ハビナース
手間なしぴったりシーツ
テープ付き約900ml90×70㎝
【オオサキメディカル】
PH 使い捨て高吸収マット
巻込タイプ 60180
巻き込み約1100ml180×60㎝
(吸収部分は80×54㎝)
【白十字】
サルバ吸水シート
スーパーワイド
なし約1500ml90×60㎝
【クリエーティブカミヤ】
スベリ止め・防水シーツ
裏面滑り止め90×60㎝

防水シーツを敷く場所について考えたことはありますか?

防水シーツは「一番上に敷く」と「シーツやベッドパッドの下に敷く」の2パターンがあると思いますが、それぞれのメリット・デメリットは以下のようになります。

「一番上に敷く」場合

メリットデメリット
失禁してしまった場合、洗濯するのは防水シーツだけでいい交換する際には、シーツやベッドパッドを取り外す必要がない特に部分タイプは、ベッド上での動きが多いと防水シーツがずれやすい
防水シーツの種類によっては蒸れやすかったり、肌触りがよくない

「シーツやベッドパッドの下に敷く」場合

メリットデメリット
ベッド上での動きが多くても防水シーツがずれにくい防水シーツと体の間にシーツやベッドパッドが入るので蒸れを軽減できる失禁してしまった場合、防水シーツだけでなくシーツやベッドパッドも洗濯しないといけない交換する際には、シーツやベッドパッドを取り外す手間がかかる

介護現場の多くでは「一番上に敷く」としていることが多いです。

特に失禁が多く防水シーツの交換が頻回だと、一番上に敷く方が洗濯やベッドメイキングの手間が少なくなりますからね。介護は色々なことで介助者にかかる負担が大きいので、できるだけ負担を減らしたいという方は一番上に敷きましょう。

防水シーツを汚すことが少ない方で蒸れを特に気にされるようなら、一番上に敷くよりも空気の通り道ができる「シーツやベッドパッドの下に敷く」ようにした方がいいと思います。

利用者の身体状況や介助者の介護状況を考えて、本当に適した防水シーツを選ぼうとすると、いくつかチェックするポイントがあります。

今回、解説した内容をぜひ参考にしていただいて、最適な防水シーツを選んでいただきたいと思います。

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