あまり知られていませんが、浴室で使用する「入浴用すのこ」は介護保険で購入できるものがあります。
介護保険が適用される入浴用すのこはどんなものなのか?
また、すのこが役立つ時はどんな時なのか?
この記事では入浴用すのこについて少し解説したいと思います。
介護保険適用の「入浴用すのこ」とは
すのこと聞いて思い浮かべるのは、木で作られた下のイラストのようなすのこではないでしょうか?

では、介護保険が適用される入浴用すのこはどのようなものか?
それは下の写真のようなものです。
出典:矢崎化工株式会社(フォーアクセスすのこ)
介護保険適用の入浴用すのこは、高齢者が入浴時に転倒するリスクを減らせるよう作られているので、以下のような仕様になっていることが多いです。
- すのこの足(床と接する部分)がゴムなどの滑りにくい素材になっている。
- すのこが簡単に動いてしまうのを防ぐ。
- すのこの足にアジャスターが付いているタイプがある。
- 浴室扉から洗い場への段差を無くし極力フラットにできるようにすのこの高さを微調整できる。
- 洗い場の形状に合わせてオーダーできる。
- 隙間なく設置できるようになるので、すのこを踏み外すことがない。
- すのこが大きいサイズになる場合は分割して作られるので、設置・取り外しが行いやすい。
- これは特に介護者の負担軽減になる。
- すのこの表面は滑りにくい加工になっている。
- 転倒リスクを下げる。
入浴用すのこは、安全にお風呂に入れるよう設計されたすのこなのです。
出典:矢崎化工株式会社 before after
洗い場にすのこが必要になる時はどんな時?
洗い場にすのこを設置すると有効な時
- 浴室扉から洗い場にかけての段差で転倒する可能性が高くなってきた時
- 入浴時にシャワーキャリー(入浴用の車椅子)を使用して浴室へ入りたいが、脱衣場から浴室に入るのに段差があるので使えない時
浴槽内に設置する「浴槽内すのこ」もある
入浴用すのこには、洗い場に設置するすのこだけでなく「浴槽内」に設置するすのこもあります。
浴槽内にすのこが必要な時は、主に【洗い場と浴槽底の段差が高く、浴槽縁を跨ぐ際に転倒リスクが高い時】です。
この場合は、浴槽台で転倒リスクを軽減できるのであれば、すのこを使わなくても浴槽台でいいと思います。
しかし、
「浴槽台の天板サイズでは踏み外して落ちてしまわないか不安」という方や
「浴槽の形(内側)が少し湾曲していて、浴槽台を置いても隙間ができるので不安」という方には浴槽内すのこが有効です。
浴槽内すのこは浴槽底全体を底上げし、且つ浴槽内の形状に合わせてオーダーできるので、隙間を最小限にして設置することができます。
浴槽内すのこも一枚ものではなく分割して作られるので、設置・取り外しの際に作業しやすくなっています。
出典:矢崎化工株式会社 before after
昔の浴槽(ステンレス製の浴槽)や築年数が古い市営住宅などの浴槽は結構深いので、そういう時には浴槽内すのこを使って浴槽縁の跨ぎを安全に行えるようにするのもいいでしょう。
まとめ
10年以上、福祉用具の仕事をしていますが、正直なところ入浴用のすのこを頼まれる方は少ないです。
でもそれは使う場面が限定されているだけで、取り付けると非常に安全に入浴できるようになると思います。







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